アディダスも注目 サステイナブルで奇妙なサンダルを生み出すデザイナー
25歳のデザイナー、ニコール・マクラフリン(Nicole McLaughlin)は、昔からスポーツとサイドプロジェクトを得意としてきた。彼女はReebokの専属デザイナーとして働きながら、このふたつを武器に、衣服やシューズなどアップサイクルアイテムを生み出し、ファンを獲得している。
マクラフリンの経歴は、やや型破りだ。彼女の両親は芸術センスが優れており、ふたりの影響で彼女は幼い頃からいつも絵や創作に励んでいた。しかしのちの彼女が情熱を傾けるようになるのは、手話だった。
「15歳のころ、聴覚障害者の男性と付き合うことになったんです。当時私は手話を知らなかったから、勉強しなくちゃいけなくて」と彼女は回想する。「私の人生の中でも、面白い時期だったと思います。それをきっかけに手話が芸術的な言語だと知ったし、それで進路を決めました」
高校卒業後、ペンシルバニア州のイースト・ストラウズ大学で言語聴覚療法を学ぶ。しかし、自分が選択した学部では、「芸術的な言語」のはずだった手話の神経学、音声学的側面ばかりで、手話自体の面白さを学ぶ場ではないと気づき、デザインの道に進むことを決める。そしてイースト・ストラウズ大学の一般メディア研究コースで学びはじめる。
「おそらく人生で最良の選択でした。アートスクールではなかったので、週末や平日の夜は、自分個人のやりたいことに時間と設備を使えたんです」とニコール。
彼女のプロジェクトは、グラフィックデザインと写真編集から始まった。その後、自分のデザインスキルとスポーツへの情熱を融合させたいと考え、インターン先を探しはじめる。そうして行き着いたのが、Reebokだった。
「ずっと運動が大好きで、ラクロスやランニングはよくやってました。だからReebokの1年間のインターンシップに申し込んだんです。でもアートスクールに通ってなかったので、受からないと思ってました」
しかし大学卒業直前、Reebokでのインターンが決まってボストンへ引っ越し、以来、彼女はReebokで働き続けている。インターン中は、できるかぎり多くのスキルを身につけようと努力し、アパレル業界という「まったく未知の世界」について学んだ。
「〈ハイプビースト〉っていう言葉の意味さえ知らなかったです」とニコール。「フットウェアについて、被服の構造やパターン、さらにマーケティングも学びました。気分は大学生でしたね。夜遅くまで勉強してました」。そしてインターン期間が終わると、グラフィックデザイナーとして正式に採用された。